海馬スライス標本

 

ラット脳スライス作成プロトコル(海馬)

(アキュートスライス作成)


前日の準備

以下のものを冷凍庫にいれて冷やす

バット(中)

スライサーの容器

アルミ板

リング膜が十分にあることをチェック。なければ作成。

Modified ACSF(Cutting Solution)が冷蔵庫に1L程度冷えていることを確認。なければ作成して冷蔵。

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手順

ACSF作成と準備を平行して行う

NaCl,NaHCO3,グルコースをはかりとり、三角フラスコにいれる(スターラーも)

DWをはかりとる

bublling

Stock Aを加える

(ここで10分以上放置)

冷蔵庫に冷えているACSFをステンレス容器にいれ、冷凍庫にいれる

ブレードを2つに折って、1つはスライサー用に、もう1つは手術道具のブレードホルダーにはさんでおく

ガラスフィルターを混合ガスチューブにセット

動物を持ってくる

Cutting Solutionを容器にいれて冷凍庫にいれる

Stock Cを加え、メスアップ

手術道具セット、寒天ブロックの用意

インキュベータセット、バブリング

氷の用意

¬氷をスライサーにいれる

¬氷をプラスチック容器にいれ、DWを加えておく

¬はさみ(小)、スパチュラ(まっすぐのもの)テフロン加工、ステンレスタイプを氷上にさす

¬スライサーの寒天をのせる円形の台に赤のドライバ(?)をねじ込んで氷にさす

¬冷凍庫のModified ACSF(2個のビーカー、プラスチック容器)を氷の上にセット、バブリング(このとき、ビーカーに薄氷が浮くかどうか程度の凍り方がよい)

¬冷凍庫のステンレス容器のACSFを氷の上にセット

¬断頭直後の手術道具をバット(大)にセット(ハサミ(大)、頭蓋骨を挟む道具)

¬ガラスシャーレをバット(大)にセット

白衣、マスク、眼鏡、帽子、手袋を着用

ビニール袋2枚セット、ギロチンセット、バット(小)に冷えたACSFをいれる


断頭してやる場合

ドラフトでフォーレン麻酔(ゆすっても動かなくなったら麻酔完了)

断頭(体をビニールにいれ、断頭と同時にビニールを上にもちあげ、体をいれるようにする)

心臓灌流の場合(スライスパッチ)

 ソムノペチルを腹腔注射で麻酔

 心臓を露出し、左心室から針(18G)を刺し、右心耳を切開、心臓灌流約5分その後は一緒


頭をステンレスのACSFにひたして、机に移動

1分以内に脳を取り出し冷やしたACSFビーカーにいれる。5分放置

¬この間にギロチンを洗う(ヒビテンで洗い、水でよくゆすぎDWで仕上げゆすぎをした後、70%エタノールを噴霧した後、水分をふきとってしまう。)

¬ハサミ(大、小)、鉗子、スパチュラとステンレス容器、ガラスシャーレを洗い、乾燥機へ

スライサー容器セット

 手術台セット(冷凍庫からアルミ台、金属バットを取り出して、バット(大)の上に設置)

脳を取り出し、海馬体を皮質とともに切り出す。(下図を参照)

4%寒天ブロックに海馬が垂直になる様にのせる。

スライサーの台にアロンアルファを薄く塗る

寒天ブロックの余分の水分を拭き取り台に乗せる。

よく接着したのを確認して、上から少量のACSFを滴下する。

余分なACSFを流して、チャンバーに固定。ACSFを満たす。

スライサーの速度は遅め、ブレードの振動数は最大にセットしてスライスをはじめる。

厚さは400µmにセットしてcontinuousにスライス標本を作る。

必要であればCA3-CA1に切れ目をいれる。

マウスの場合、脳幹部分を切り取る。

順番にアクリルリングのミリポア膜に載せる。

モイストチャンバーにリングごと載せて蓋をする。

28度 30分、その後室温で1時間以上静置


染色 

それぞれのリングに染色液を100 µL静かにいれる。

25分静置

ACSFを100mL程度別の容器にとり、そこにリングごとスライス標本をいれる。

手早くリンスして

またモイストチャンバーに戻す(マウスの場合、もとのチャンバーに戻してはいけない)




モイストチャンバー

パッキンのついた容器ないにガスを導入できるようにチューブを通す。

中に90mmのシャーレを入れ、中にACSFを満たす。もう一個、別の容器にACSFを満たし、ガスをバブリングする。

シャーレの上に110mmのろ紙をおく。下に気泡が残らないようする。

ろ紙の上に、リングにのせたスライス標本を静置する。

フタを空ける時間はなるべく短くなる様にする。